ファッション用語事典

ダッフルコート Duffle Coat

ダッフルコート(duffle coat)とはフード付きの防寒コートで、オーバーコートの一種である。
元々はノルウェーなど北欧の漁師が作業着として着ており、17世紀頃、現在の雛型が生まれたとされている。

ダッフルの語源は、ベルギーのアントワープ近郊のダッフルという田舎町である。
そこで作られた起毛した粗い厚手のメルトン生地が、海軍用のコートに用いられたことから「ダッフル・コート」と命名された。
伝統的なダッフルコートには、純正のベルギー産のダッフル生地と、タータンチェック柄のウール地のライニングがあり、大きめのフードと、風の侵入を防ぐためにボタン留めのネックストラップ仕様となっている。
木製、もしくは水牛のトッグルが備え付けられ、対になる4つのループがあり、前身頃にはフラップ付きの大きな2つのポケットがある 。
ダッフルコートは、その防寒性能と機能性の高さから、英国海軍に正式採用され、二度に渡る大戦の戦地で実際に使用された歴史を持つ。
その証に、今でもダッフルコートの内側には「MONTY」と書かれたタグが縫い付けられている。
「MONTY」とは、初代アラメインのモントゴメリー子爵として有名な、バーナード・ロー・モントゴメリーの愛称で、大戦中、彼がダッフルコートを愛用したことから、そのシンボルとして、現在でもダッフルの愛称になっている。

現存するダッフルコートのメーカーは英「グローバーオール」と仏「オールドイングランド」の2社のみである。
第二次世界大戦終了後間もない1951年、「MASTER TAILER」と言う名の仕立て屋が、英国国防省の委託を受け、終戦で不要となったダッフルコートや手袋などの販売を開始した。、これが評判を博し、それ以後も自社でダッフルコートの生産を開始することとなった。これがダッフルの中興の祖、「グローバーオール」の興りである。

長年、ダッフルコートは、ファッションとは相容れないものと見做されてきた。
温暖化の影響もあり、ダッフルのように厚手な生地を使った、膝丈までの大仰なコートは、敬遠されがちであった。
そうした中、アメリカントラッドスタイルの隆盛が極まり、プレッピースタイルには欠かすことのできないダッフルコートにも俄然注目が集まった。
それまでのともすると野暮になりがちなシルエットも生まれ変わり、モダンでシャープなスタイルに変わった。
それまでのネイビーやブラックといったモノトーンカラーだけでなく、グリーンやオレンジといったビビッドで明るい、アメリカントラッドに相応しい色も加えられた。
ジャケットのように羽織り、ツイードのベストや細身のBDシャツ、ジーンズやボウタイと合わせることで、ネオプレッピーらしい時代性のあるクラシックなスタイルに仕上がる。
ダッフルコート/Duffle Coat