キーマンインタビュー

ダニエル&ボブ創業者のアンドレア・ボルトロッティさんにインタビュー

ダニエル&ボブ創業者のアンドレア・ボルトロッティさんにインタビュー。

GLOBERの前身であるSTILEの時代も含めバッグや革小物など多くの名品、別注など販売させていただいているダニエル&ボブ。
Pittiのダニエル&ボブのブースにて、創業者のアンドレア・ボルトロッティさんにインタビュー。
アンドレアさんがこれまでの人生を語ってくれました。

インタビュー実施:2011年1月

  いつからこういったバッグやベルトを作り始めたのですか。
  21歳の時からだよ。
  何かきっかけがあったのですか?
  その頃暇な時間を見つけては、友達のロベルトが工房で革小物を作るのを見ていたんだ。
そのロベルトの英語名がボブなんだよ。
彼はその1年前にダニエルという友達と工房を始めて、二人が作ったものにはDaniel&Bobというサインをしていたようだよ。
その後ダニエルは徴兵に行ったから、ボブが一人で行っていたんだ。
それで僕が一緒にやろうと提案したんだよ。
  それでボルトロッティさんの名前はここにはないんですね。
  そうだよ。
最初のストーリーを大切に残したんだ。
ツールも素材も別々に分けて個人商店のようにして仕事を始めたんだよ。
レザー一枚現在のレートでいうと100ユーロしたけど、自分で買わなければならなかった。
ボブはたくさん持っていて、僕も自分で買って用意したんだ。
  技術やバックグラウンドを持ち合わせていない環境で、いつどうやって仕事を始めたんですか?
  単なる趣味として始めたんだ。
作っていたけど売るわけではなく、友達にあげたりしていたよ。
でもそれでは仕事にならないからね。
ベルトをいくつか持って店に売り込みに行ったんだ。
その場で140本くらいベルトのオーダーをもらったんだけど、そんなオーダーが出るとは思っていなかったからすごく驚いたよ。
それで本格的に会社として始めたんだ。
  いつ始めたのですか?
  当初はシーズンがあることを知らなくて、たまたま9月に店を訪ねてオーダーをもらったんだ。
作るのに1ヶ月以上かかるし、時期をずらさなければいけなかったから、しばらくは収入がない。
ボブは僕に技術的なことを教えてくれる大切な存在だったけど、その頃彼はやめてしまっていなかったんだ。
  では一度一人になったのですか?
  そうなんだ、数ヶ月間一人で仕事をしていて、続けようか悩んだけど、これしかないと思って続けたんだ。
  今もデザインはボルトロッティさんが行っているのですか?
  もう一人パートナーがいて相談しながら一緒にやっているよ。
日本やフランスなど各地のリクエストも取り入れながらダニエル&ボブならではの製品を作ってる。
  ダニエル&ボブが最も売れている国は?
  1977年からダニエル&ボブを始めて、しばらく辞めている時期があったけど、再開してからは日本市場が先行しているよ。
またヨーロッパなど他の国も戻ってきているけどね。
1992年まではレディースがメインで商品を作っていたんだ。
  現在の日本の販売代理店とやる前の商品を見たことがあります。
  CVBのブランド名で、1992年までレディースメインでやっていたんだ。
しばらくOEMでやっていたけど、再開してからメンズも始めたんだよ。
  CVBは日本に代理店があったのですか?
  いや、直接自分たちで売っていたよ。
  ずっとフェラーラで育ったのですか?
ときどきイギリス的なデザインがありますが何かバックグラウンドが?
  そうだね。自分の中にそういう影響を受けてテイストがあるんだろうね。
  レディースも再開しているんですか?
  いや、ヨーロッパでは女性もダニエル&ボブの商品を買ってくれるんだよ。
ユニセックスのデザインだからね。
  確かにジャスミンなどは当店でも女性にお買い上げいただくこともありますね。
中国や韓国などアジアから引き合いが多いのでは?
  そうだね、香港とか、日本とかが多いね。
  香港にも代理店があるのですか?
  いや、ないよ。
韓国にもお客さんがいるね。
マーケット自体は大きくないけど、香港、韓国は継続して展開をしているよ。
  クリエーションはいつ行うのですか?
  2シーズンあるから素材の展示会の前後に考えるけど、リサーチは絶えず行っているよ。
展示会で素材を見て考える。
主に伝統的な素材を10~15は作ってみるけど実際に使われるのは毎シーズン2~3の素材だね。
結果的に続いているのはずっと継続しているものだったりするけど、新しい素材もトライしてみているんだ。
その中でいいものが出てくるかもしれないしね。
  展示会などでよい素材は取り合いになるのでは?
ダニエル&ボブは素材が良いが、維持できるのはどうして?
  他もそうだと思うけど、それぞれこんなものがほしいという作りこんだアイディアのもとに展示会に行っているから、そんなにバッティングしてしまうことはないよ。
  なるほど。製品になって初めて良いと思うのであって、生地だけではそうとも限らないのかもしれないですね。
  そうだね。生地を良い製品に変えるのが僕らの仕事だからね。
  ボルドロッティさんは社長なんですよね?
社長の仕事と職人の仕事の配分は?
どっちが楽しい?
  物づくりの方が楽しいね。デザイナー業と社長業で8:2くらいかな。
経営的なところはあまり得意ではないかもしれないけど、物づくりをしながら得た嗅覚があるからできるんだよ。
  仕事以外の趣味は?
  子供と過ごす時間だね。あとは映画やコンサートによく行ったりするね。
  従業人の人数は?
  22人だよ。
  今後の会社の夢や目標は?
  わからないな。一年以上先のことは考えられないんだ。(笑)

http://blog.glober.jp/?p=4679