ファッション用語事典

ポロシャツ Polo Shirt

ポロシャツとは、襟付きのコットンピケ素材の半袖シャツのものを指す。
伝統的なタイプのものは半袖のコットンピケ素材に、前立ては2つ、または3つボタン。現在ではボタンの代わりにジッパーを用いたり、ボタンの無い開襟タイプのスキッパーと呼ばれるもの、台襟がついたもの、襟にボタンが付いたボタンダウンタイプなど、様々なモデルが存在する。
またコットンピケ素材のほかに、シルクやメリノウール、シーアイランドコットン(海島綿)などの高級素材や化学繊維を使用したタイプもある。

ポロシャツの歴史は19世紀後半にまで遡る。
当時のテニスプレイヤーたちは 「tennis whites」(現在でもテニスウェアに圧倒的に白色が多い所以)と呼ばれる長袖のボタン留めの白シャツ(袖をまくって着るのがベーシック)に、白のフランネル地のトラウザーを穿き、ネクタイを締めるのが一般的であった。当然ながらこうした格好はテニスに不向きな、選手の動きを制限し、汗の吸収も悪い不快なものであった。
そうした中、通算7回グランドスラムを制覇し、「フランス四銃士」の1人として知られた伝説のテニスプライヤー、故ルネ・ラコステ氏はそれまでのテニスウェアとは異なる、よりテニスプレイヤーに相応しい服装を考案するべきだと考えていた。
「ある日私は、自分自身の為に、ゴルフやテニスを思いっきり楽しむ為に着るシャツを作ってやろうと思いついた」とラコステ氏は晩年語っている。
1926年ラコステ氏は、ポロ競技のポロ選手たちの上着からインスパイアされた白色の、糊を利かさないたっぷりとしたコットンピケ素材(ラコステ氏はこの素材を“プチ・コットン”と呼んでいた)の襟のついた半袖シャツを作り出した。

氏が作り出したそのシャツは、それまでの伝統的なテニスウェアが抱えていた諸問題ーまくった袖がずり下がる、プラケットをボタン留めしなくてはならない、などーを解消し、同年に開催された全米オープンで、氏自らその見慣れぬ真新しいシャツに身を包んで、見事全米オープンで初優勝を遂げたのであった。
“tennis tail”と呼ばれる、後身頃の着丈が前身頃よりも長いシルエットが大きな特徴。
上着がテニスをしている最中に、激しい動きによってズボンからはみ出すのを防ぐ効果がある。
1933年、ラコステ氏はポロシャツの胸部分に自身をモチーフとした「クロコダイル」(氏のテニスプレイヤーとしての粘り強いプレーぶりを見た当時のアメリカのある新聞社が、彼を評して“the aligator”と呼んだのが始まり)のロゴを刺繍するという、それまでの服飾業界では用いられてこなかった大胆な発想を取り入れた。
これが今日でも「ラコステ・ポロシャツ」を象徴的に表すスタイルとして定着している。現在ポロシャツはテニスやゴルフウェア以外にも、タウンユースとしても広く用いられており、ラコステ以外にもフレッドペリー、ラルフローレン、ジョンスメドレーや、高級メゾンやモードブランドも独自のデザインとパターンで新しいポロシャツを生み出し続けている。
ポロシャツ/Polo Shirt