ファッション用語事典

ショーツとは膝上までの丈の、文字通りトラウザーやチノパンの「ショート」丈のパンツのことで、夏のバカンスシーズンにキャンバスのスニーカーやドライビングシューズ、デッキシューズに合わせて履かれることが多い。

米国では、”short pants”という単語がほぼ「ショーツ」と同義であり、主にランニングやジョギング時に用いられるハーフ丈のパンツもしくは、下着を「ショーツ」と呼ぶ。
英国ではそういった用いられ方は一般的ではなく、下着を指す場合などは、単に”pants” と呼ぶので、英語を母国語としない人々に混乱を招くこともしばしばある。

19世紀から20世紀初頭にかけて、ショーツは、トラウザーを穿くような、ある一定の年齢に達するまでの代替品として、10代前半の少年たちが穿くものであった。

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ショーツ Shorts

イタリア語で「7つ折り」を意味するセッテピエゲのタイは、20世紀初頭の英国上流階級の間で用いられていた、スカーフを折り重ねて誕生したネクタイのヒストリーをオマージュしたもので、柔らかく上質な生地がふわふわと躍動感を持っているのが特徴。
四角い正方形の一枚生地を7つ折にして縫製し、職人の「ファット・ア・マーノ(手仕事)」によって、1つ1つ丁寧に生み出される。

フィレンツェのタイ・ユア・タイ、ナポリのマリネッラ、ミラノのアンジェロ・フスコは、いずれも引けを取らない世界最高峰のネクタイ工房であり、上流階級やセレブリティー、王侯貴族などに愛されている。
セッテピエッゲのネクタイには通常のネクタイの倍近い、もしくはそれ以上のシルクが使用されている為、価格もそれに比例して上昇する。

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セッテピエゲ Sette Piege

Pコート Pcoat

Pコートとは、厚手のウール地のダブルブレステッドで腰丈のオーバーコートを指す。
その特徴は、幅の広いワイドなラペルのダブルブレステッド仕立て、錨をあしらった大きな金属製のボタンと手を温めるために垂直に切り込みが入った両ポケットが添え付けられている。
Pコートの源流とも言えるPコートとよく似たコートは2つある。
1つは、戦時中、英国将校や海軍下士官トップランクの海曹長のみが着用を許されていた「ブリッジコート」と呼ばれるもので、腿丈まで着丈があるのが特徴的。

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Pコート Pcoat

N-3B N-3B

N-3Bとは、膝丈までの着丈の長さと、着脱可能なフードが特徴のアメリカ軍出自の代表的な本格ミリタリーアウターのことである。
1950年代に米国陸軍兵が極寒の地を凌ぐ為に作られ、別名シュノーケルパーカーとも言う。

元来、オリジナルのN-3Bは、表地にはセージグリーン色をしたデュポン社製のシルクナイロンを採用していた。
この頃のN-3Bは、太陽光線を浴びると、紫外線の影響を受け、セージグリーン色が淡いマゼンタ色に変色する、変わった特徴が見られた。

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N-3B N-3B

N-1 N-1

N-1、通称“デッキジャケット”と呼ばれるこのジャケットは、第2次世界大戦後期から朝鮮戦争にかけて、強風と冷気に晒されるアメリカ海軍艦艇のクルー達のために艦上防寒着として用いられていた。
日本人に馴染み深いノルマンディーでも、実際に米国海軍のクルー達が、彼らの愛称ともなっている「ネイビー」の文字通り、ネイビー色のN-1を着用している。

オリジナルのNー1の表地には、マリーナ達を冷たく激しい海風や摂氏零度以下の極寒から守る為のあらゆる防寒スペックが施されている。
表地には、通称“Jungle Cloth”と呼ばれるコットングログランが使用され、裏地には遮風性と保温性に優れたアルパカモヘアが備え付けられている。

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N-1 N-1

タータンとは、スコットランド特有の多彩な色が縦横に交差した柄のことを指す。
英語のTartanはフランス語の動詞で「布を織る」という意味のtirerから派生したtiretainを語源とする。
また、スコットランドの土着語であるゲーリック語ではブレアカンとも言い、「たくさんの色合い」を意味する。
日本語で一般的なタータン・チェックという言葉は和製英語であり、本国スコットランドでは単にタータンと呼ぶ。

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タータンチェック Tartan Check

ステンカラーコートとは、コンバーティブルカラーコートの一種で、第一ボタンを開いた開襟の状態でも、閉じた襟の状態でも着用できる二重襟を特徴としたコートのことである。
ステンカラーとはそもそも和製英語であり、ステンカラーのステンはスタンドが訛ったものと考えられている。
このステンカラーの正しい呼称は、真直ぐに落ちたような襟という意の、「スタンド・フォール・カラー」、または、衿腰から折り返った襟を意味する、「ターン・オーバー・カラーなどど呼ばれ、ラグラン・スリープ、フライフロント仕立てで、膝丈の長さのものが多い。

従来、ステンカラーコートと言えば、膝丈の着丈の、Aラインでたっぷりとした、身頃幅のあるものが多かった。

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ステンカラーコート Stand Fall Collar

ポロシャツとは、襟付きのコットンピケ素材の半袖シャツのものを指す。
伝統的なタイプのものは半袖のコットンピケ素材に、前立ては2つ、または3つボタン。現在ではボタンの代わりにジッパーを用いたり、ボタンの無い開襟タイプのスキッパーと呼ばれるもの、台襟がついたもの、襟にボタンが付いたボタンダウンタイプなど、様々なモデルが存在する。
またコットンピケ素材のほかに、シルクやメリノウール、シーアイランドコットン(海島綿)などの高級素材や化学繊維を使用したタイプもある。

ポロシャツの歴史は19世紀後半にまで遡る。

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ポロシャツ Polo Shirt

ペッカリーとは、南米に生息する鯨偶蹄目ペッカリー科に属するイノシシに似た動物の事で、世界中で最も希少価値の高い皮革であり、主に手袋用皮革として用いられる。
ペッカリーグローブを生産している代表的なメーカーは、英国王室御用達のデンツ、レイノルズ&ケント、伊メローラ、アルポなどが特に知られている。
英国最古参、現在でも残存する、英国唯一の手袋メーカーといっても過言ではないデンツは、英国女王エリザベス?世に手袋を献上した功績を持つ、老舗中の老舗である。

ペッカリーの革は、通常のレザーに比べると非常に硬い為、たった一組の手袋を作るのにも、32もの工程を要する。

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ペッカリー Peccary

M-51 – M-51

M-51ジャケットとは、アメリカ軍用に作られた防寒性・撥水性に優れた9オンスのコットンサテン生地を用いたジャケットを指す。
別名フィッシュテールパーカーと言い、文字通り魚の背ビレのように背中の着丈が前方の着丈よりも長いことに由来。

元々、M-51は1950年の朝鮮戦争に於いて戦闘服としてアメリカ陸軍に採用されたルーツを持つ。
M-51のMは「Model=モデル」を表し、51は1951年という年号を表している。

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M-51 – M-51

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