ファッション用語事典

ツイードの定義は「手紡ぎの紡毛糸を手織りで2/2の綾に織ったスコットランド特産の毛織物」となっており、秋冬には欠かすことのできない紡毛織物の代表的な生地である。

スコットランドはもとより英国羊には英国の土地でしか産出しない種類の羊が数多く生息している。
様々な色の毛が混在して成長するので、これで糸を作るとメランジ調の独特の味わい深い色が出てくる。
これをスコットランドのカントリーに住む農家が糸を梳き、手で一本一本丁寧に紡いで出来るのが本物のスコットランド・ツイードとして認められる。

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ツイード Tweed

混紡 Mixed Yarn

2種以上の異なった繊維素材を混ぜ合わせて紡績されて作られたのが混紡素材である。単一素材では得られない生地の質感を得ることが出来、たおやかで表情豊かな生地となる。それぞれの繊維の長所を生かしがら、短所を補うことも可能。
現在ではエルメネジルドゼニアやドーメル、スキャバルなど著名なミルやマーチャントがユニークな生地を発表している。

代表的な混紡生地としては、ウールシルクとウールモヘアが挙げられる。
ウールシルクはウール本来が持つしなやかな肌触り、生地が持つ強い伸縮性や適度な吸湿性に加え、シルク独特の高級な艶感をミックスした混紡素材である。

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混紡 Mixed Yarn

キルティングジャケットとは、エリザベス女王に仕えていた女官、エリオット女史がキルティング加工を施した生地を使って、女王が乗る馬用のホース・ブランケットを考案したのがそもそもの始まりである。
それまでのホース用ブランケットはジュート(黄麻)で作られており、また撥水性が悪く、保温性にも欠けていた。
彼女は1969年にラベンハム社を立ち上げ、ナイロンを使った馬用のキルティング・ブランケットを発表する。
ジュートに比べ、圧倒的に保温性と耐久性に優れていたので、瞬く間に英国中の乗馬愛好家たちの間に広まっていき、乗馬用具業界での地位を確立した。

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キルティングジャケット Quilted Jacket

マニカカミーチャとは、日本語で雨降り袖という意で、シャツの袖付けのように肩にギャザーを寄せて付ける技法のことを指す。
袖山の膨らみが美しく、体の肩の動きに対する運動量と稼働域が広がる。
イタリアのナポリのサルトが好んで用いる技法の1つである。

マニカカミーチャという名は、キトンやチェザーレ・アットリーニなど、クラシックスタイルをベースにしたナポリ出自のメーカーが日本に紹介され始めた頃に、「クラシコイタリア」という名前とともに一気にその名が広がった。

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マニカ・カミーチャ Manica Camicia

シルク Silk

シルクは、蚕の繭からとった天然の繊維で、独特の光沢を持ち、古来より珍重されてきた天然の繊維である。
蚕の繭から抽出された、極細の糸を数本揃えて繰り糸の状態にしたものを生糸ともいう。
1個の繭から約800~1,200mの糸が取れる。

絹の歴史を紐解くと、その生産は紀元前3000年頃の中国で始まった。

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シルク Silk

ショーツとは膝上までの丈の、文字通りトラウザーやチノパンの「ショート」丈のパンツのことで、夏のバカンスシーズンにキャンバスのスニーカーやドライビングシューズ、デッキシューズに合わせて履かれることが多い。

米国では、”short pants”という単語がほぼ「ショーツ」と同義であり、主にランニングやジョギング時に用いられるハーフ丈のパンツもしくは、下着を「ショーツ」と呼ぶ。
英国ではそういった用いられ方は一般的ではなく、下着を指す場合などは、単に”pants” と呼ぶので、英語を母国語としない人々に混乱を招くこともしばしばある。

19世紀から20世紀初頭にかけて、ショーツは、トラウザーを穿くような、ある一定の年齢に達するまでの代替品として、10代前半の少年たちが穿くものであった。

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ショーツ Shorts

イタリア語で「7つ折り」を意味するセッテピエゲのタイは、20世紀初頭の英国上流階級の間で用いられていた、スカーフを折り重ねて誕生したネクタイのヒストリーをオマージュしたもので、柔らかく上質な生地がふわふわと躍動感を持っているのが特徴。
四角い正方形の一枚生地を7つ折にして縫製し、職人の「ファット・ア・マーノ(手仕事)」によって、1つ1つ丁寧に生み出される。

フィレンツェのタイ・ユア・タイ、ナポリのマリネッラ、ミラノのアンジェロ・フスコは、いずれも引けを取らない世界最高峰のネクタイ工房であり、上流階級やセレブリティー、王侯貴族などに愛されている。
セッテピエッゲのネクタイには通常のネクタイの倍近い、もしくはそれ以上のシルクが使用されている為、価格もそれに比例して上昇する。

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セッテピエゲ Sette Piege

Pコート Pcoat

Pコートとは、厚手のウール地のダブルブレステッドで腰丈のオーバーコートを指す。
その特徴は、幅の広いワイドなラペルのダブルブレステッド仕立て、錨をあしらった大きな金属製のボタンと手を温めるために垂直に切り込みが入った両ポケットが添え付けられている。
Pコートの源流とも言えるPコートとよく似たコートは2つある。
1つは、戦時中、英国将校や海軍下士官トップランクの海曹長のみが着用を許されていた「ブリッジコート」と呼ばれるもので、腿丈まで着丈があるのが特徴的。

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Pコート Pcoat

N-3B N-3B

N-3Bとは、膝丈までの着丈の長さと、着脱可能なフードが特徴のアメリカ軍出自の代表的な本格ミリタリーアウターのことである。
1950年代に米国陸軍兵が極寒の地を凌ぐ為に作られ、別名シュノーケルパーカーとも言う。

元来、オリジナルのN-3Bは、表地にはセージグリーン色をしたデュポン社製のシルクナイロンを採用していた。
この頃のN-3Bは、太陽光線を浴びると、紫外線の影響を受け、セージグリーン色が淡いマゼンタ色に変色する、変わった特徴が見られた。

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N-3B N-3B

N-1 N-1

N-1、通称“デッキジャケット”と呼ばれるこのジャケットは、第2次世界大戦後期から朝鮮戦争にかけて、強風と冷気に晒されるアメリカ海軍艦艇のクルー達のために艦上防寒着として用いられていた。
日本人に馴染み深いノルマンディーでも、実際に米国海軍のクルー達が、彼らの愛称ともなっている「ネイビー」の文字通り、ネイビー色のN-1を着用している。

オリジナルのNー1の表地には、マリーナ達を冷たく激しい海風や摂氏零度以下の極寒から守る為のあらゆる防寒スペックが施されている。
表地には、通称“Jungle Cloth”と呼ばれるコットングログランが使用され、裏地には遮風性と保温性に優れたアルパカモヘアが備え付けられている。

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N-1 N-1

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