ブランド事典

ドルモア Drumohr

ブランド

ドルモア(Drumohr)は1773年、ジェームス・パターソンによってスコットランド ダムフリースの地で設立されました。
南スコットランドに位置するこの土地には、カルシウム含有率の高い水が流れており、その水を使いニットを仕上げると手触りが他のものとは比べ物にならないほど柔らかくなるため、紡績には非常に適した地でありました。

ジェームス・パターソンのモノ作りへのこだわりと、スコットランド式紡績への情熱は、創立者の孫であるジェームス・アレキサンダーロバートソンに受け継がれ、伝統は未来へと継承されていくことになります。

1800年代の初頭、ビジネスの拠点をダムフリースから約5マイルほど西に位置するロシュルットンのドルモア農場に移し、この「ドルモア」という土地の名前から取り、ブランド名を「Drumohr」にしました。

イギリスはまさに産業革命の時期でありましたが、多くが機械化への効率化に着手する中、ドルモアは手作業にこだわりました。
ドルモアの特徴は、徹底的にこだわったそのディテールにあります。
ひとつひとつの商品のカットや手触りによって最高の着心地を約束してくれるのです。
Drumohrが世界で初めて考案したシームレスニットは現代でも風合いが変わることなく、どの商品を着てもすばらしい着心地を提供してくれます。
ヨーロッパ中に、スコットランド製の最高のニットウエアといえば「ドルモア」、と名が知られるようになるまでに、それ程長く時間はかかりませんでした。

1851年には、オスロで開かれたクリスタルパレス博覧会でノルウェイ王に抜露され、また、数年後英国皇室に献上したところその質の高さと手の込んだ製品に驚いていたといいます。
ジョージ5世はヘリンボーン柄を好み、ウインザー公、エドワード8世はまさに英国王らしく、ウィンブルドンモデルのジオメトリックなダイアモンド柄を好みました。

ドルモアの伝統は、その後も英国で受け継がれていきます。
その頃、ロイヤルファミリーはファッショントレンドに影響を与える存在でありましたが、ドルモアのカシミヤセーターがチャールズ皇太子とダイアナ妃の婚約発表の際に選ばれたという事実も手伝い、ドルモアの知名度はますます高まるばかりでした。

200年以上もの伝統は、最新コレクションにも脈々と受け継がれ、クラシックなテイストを崩すことなく、今のトレンドを取り入れ新鮮なスタイルを数多く生み出しております。
2001年に1912年創業のイタリアのニット会社Cioccaグループが「ドルモア」ブランドを買い取りました。
革新的で創造的なビジネスとスコットランドの職人の技術と伝統を融合することにより、ブランドイメージを再び活性化し、ブランドポジションを明確化しています。

現在工場のあるブレシア・クインツァーノの水質はもともとあったスコットランドの水質に非常に近く、カシミア、ウールを生産するために適した水質で、こういった点でも、伝統を引き継いでいます。

ミラノ・モンテナポレオーネにはドルモアのショップがあります。
そこではニットやカットソーのみならず、スーツや靴など全身のアイテムをトータルに展開しており、エレガントなドルモアの世界観を堪能できます。

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