バイヤーアシスタントの野原です。
今回はバイヤーの宅島に同行し、フィレンツェ随一とも言われる、イタリア屈指の名店タイ・ユア・タイにお邪魔しました。
日本のメディアにも引っ張りだこの同店ディレクター、シモーネ・リーギさんにインタビューをしたいと思います。
インタビューの前には、タイ・ユア・タイのオフィス兼ショールームにて、2011春夏用の発注を行いました。
ショールームの場所は、フィレンツェ市中心街のトルナブオーニ通り。
挨拶を終えるや否や、ラックに掛けてあったジャケットを手に取って商品を紹介してくれるミヌッチさん。
「これは2011年春夏のタイ・ユア・タイの新作で、薄手の上質なコットンを用いたジャケットなんだ。凄く良いだろ?」
見るからに上質な生地と仕立てで、流石と思わせる垂涎ものの逸品です。 |
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タイ・ユア・タイ創始者であり、こちらも日本のメディアに頻繁に登場されるフランコ・ミヌッチさんを交えながら、商談はスタート。
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次にネクタイの生地を見せていただきます。
色や柄は、汎用性の高いクラシックでオーセンティックなものが多く、使いやすい印象です。
モデルは最近の販売実績データをもとに、ほとんどをセッテピエゲでオーダーしました。当店のお客様はタイユアタイのネクタイにはセッテピエゲを期待されているようです。
素材は定番の上質なシルク100%ものから春夏らしいコットンとシルクの混紡など、実にバラエティーに富んでいます。 |
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定番のネイビードットのプリント生地
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こうした生地バンチを見ながら、ミヌッチさんや関係者の意見を取り入れつつ、お客様に喜んでいただける商材をセレクトしています。
更に共布でチーフもオーダーしたので、ネクタイの柄と合わせた上級者コーディネートも楽しめます。 |
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ウール・シルク・リネンの洒落心溢れる三者混素材
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タイ・ユア・タイのネクタイ工房はフィレンツェ市内にあり、僅か12人の職人さんたちによって、全てハンドメイドで作られています。
今回オーダーした商品たちは3月頃の入荷予定です。
フィレンツェよりお届けします。
商談が一段落したところで、ショールームからショップに移動。
日本のメディアにも引っ張りだこ、現タイ・ユア・タイのオーナーにして、世界屈指のウェルドレッサーとしても知られるシモーネ・リーギさんが快く出迎えてくれます。 |
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スーパー120’Sの上質な春夏用の極上のウール地を使った千鳥格子柄
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お店に着くと「チャオ!!」と肩ひじ張らないリラックスしたご様子。
僕は今回がタイ・ユア・タイのお店に出向くのは初めて。
もちろんシモーネさんとは初対面です。
早速幾つか質問をしてみます。 |
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世界中のバイヤーが、フィレンツェを訪れた際には毎回足を運ぶ名店です。
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・お好きなスタイルは?
「今日の格好のように若干崩した、どこかにカジュアルなテイストを取り入れたスタイルが好みだね。
クラシックなアイテムの中にほんの少し遊びを取り入れる、洗いの掛ったシャツであったり、スポーティーなアイテムであったり、そういった現代的なエッセンスをどこかに取り入れる。
因みに今日の私のスタイルは、タイ・ユア・タイのベルトレスのスーツに、残念ながらこれはもう既に当店での販売はしていないのですが、フェデーリの洗いの掛ったスポーティーな長袖のポロシャツを合わせる、こういったスタイルが私の好みです。」
・2010年春夏のピッティ・ウオモの印象は?
「実はピッティ・ウオモの会場では昔からの取引先や古い友人などに挨拶回りや世間話をした程度で、会場全体は殆ど見れていなんだ。」
・今オススメのアイテムはありますか?
「そうだね、オススメは全部、と言いたいところですが(笑)
この当店オリジナルネームの新作のシルクスカーフなどは非常にエレガントです。
シルクの一枚仕立てになっています。」 |
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シルクスカーフを巻いたシモーネさん
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ストールの上からちゃっかりポロの襟先を出しているあたりに、シモーネさんらしい遊び心を感じさせる、ほんのちょっとした細かいテクニックなどは実に参考になります。
・では最後にオススメのスタイルを見せていただけますか?
「そうですね、ではまず正統派のスタイルから。
ストライプのピッチの狭いクラシックなスタイルの3つボタン段返りのネイビースーツ。
これはクラシックスタイルの基本中の基本です。
そこにブリーニの、これもまた正統的なスタイルのシャツですが、を合わせます。
ネクタイは当店のオリジナルの、ブラウンとグレーの中間のような、若干ファジーな色合いで、落ち着いた印象の柄入りのネクタイを合わせます。
もちろんチーフは正統派の白無地を合わせます。 |
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タイユアタイのネクタイとブリーニのシャツ
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次は若干遊びのあるスタイルを。
スーツの色は黒に近い無地のダークネイビー。
これだけ見ると非常にクラシックな印象ですが、ここに洗いの掛ったスポーティーな印象のブルーストライプのオリアンのシャツを合わせます。
襟先も柔らかい印象で、非常にエレガントです。
ここに先程ご紹介したスカーフをネクタイを巻くように、合わせます。
一見するとペイズリー柄が強い印象を受けますが、ダークトーンのスーツとの引き算で、実際には胸元のVゾーンが華やかになり、全体としてとてもエレガントなスタイルに仕上がります。
最後に、ほんのちょっとした遊び心ですが、靴下はストライプの柄ものを。
これで如何でしょうか。」 |
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オリアンのストライプシャツとタイ・ユア・タイのストール。
ソックスの合わせ方は日本ではあまり見かけないやり方。
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シモーネさんがおっしゃっていたように、確かに店内にはタイ・ユア・タイネームのスーツやフェデーリ製のヴァルスターブルゾン、ブリーニの正統派のドレスシャツなど、クラシックなアイテムから、トリッカーズのカントリーブーツ、オロビアンコのスポーティーなボストンバッグ、ロダのストールなど、モダンなアイテムも置かれており、そのアイテムのどれもがシモーネさんの審美眼に適った逸品ばかり。 |
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タイユアタイオリジナル、オリアンの襟芯なしセミワイドスプレッドシャツ
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ここで思い切ってシモーネさんに無理なお願いをしてみます。
・実は今夜ミラノに向かうのですが、ミラノに相応しい都会的な色合いのリネンのシャツが欲しいのですが。
「どんなスタイルに合わせますか?ジャケット?ブルゾン?ジャケットならブルー系ですか?」
リクエストした途端に、シモーネさんから質問攻めの嵐。
シャツ棚から次から次へとシャツを出してきます。
・ブルーのクラシックなジャケットに合わせたいですね。
「これはまさにクラシックな正統中の正統、ブリーニのブルーのシャツ、ストライプ柄になっていて、私の大好きなクラシックなスタイルです。
こちらのシャツはオリアンのリネン素材を使ったシャツです。
リネンはカジュアルでスポーティーな印象ですが、アイロンを掛ければジャケットスタイルにも合わせる事が出来ますし、もちろんカジュアルにも使える使い勝手の良い素材で、季節感を演出できる、今の時期にピッタリのオススメのシャツです。」
数多くピックアップしていただいた中で、僕が選んだのはシモーネさんも一押しだったオリアンのサックスブルーのリネンシャツ。
製品洗いが掛ったこのシャツは、現代的なシルエットでありながら、ディティールはタイ・ユア・タイに相応しく正統的なもので、クラシックにもカジュアルにも使える優れものです。
気が付けば2時間近く、お店にお邪魔してしまったので、そろそろお暇することに。
シモーネさんの気の置けない自然体の接客スタイルが、多くの熱心なファンを獲得している秘訣なのだと実感しました。
シモーネさんありがとうございます。 |
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