ギーブス&ホークスはスーツの聖地“サヴィル・ロー”を代表するテーラーです。
1785年に始まった“ギーブス”と1771年に始まった“ホークス”が合併して生まれた会社です。
現在はサヴィル・ロー1番地の王立地理学協会の本部として使用されていた建物にあります。
創立以来、顧客台帳は各界の著名人の名前で埋め尽くされています。
ギーブスはネルソン提督のユニフォームを作っており、海軍のテーラーとして右に出る会社はありませんでした。
他方、ホークスはウェリントン公の帽子やヘルメットなどを作っており、合併したことで陸海両軍の制服を担当するようになりました。
ビジネスが飛躍的に伸びたのは、刀を通さない革で作った防御用の上着を考案したことです。
その後、シャコーと呼ばれる羽毛飾り付きの筒型の軍帽を考え出し、当時の軍隊ではスタンダードな帽子となりました。
1911年に英国王室より王室ご用達の英国海軍軍服仕立屋として任命されています。
軍隊との強い結びつきから、ネイビーのブレザーを初めて仕立てたテーラーであるとも言われています。
王室との付き合いも古く、19世紀はじめにはホークスはジョージ三世とシャーロット皇后のヴェルベット帽の制作者として御用達を得ています。
ジョージ五世の息子エドワード王子とアルバート王子の服装もすべてギーブス製でした。
エリザベス2世即位の式典のためのローブやチャールズ皇太子の婚礼祭典の際の制服なども製作し、エリザベス女王のボディガードの制服にも採用されています。
ビスポーク以外にもレディーメードのスーツやコート、シャツなどほとんどの紳士洋品をラインナップしている専門店でもあります。
ロンドン市内ではサヴィル・ローの他にスローン・スクエアや百貨店のセルフリッジなどで商品を買い求めることができます。
日本ではギーブス&ホークスよりも若干若い層をターゲットにしたブランド「GIEVES」が一部のセレクトショップで販売されています。
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