2種以上の異なった繊維素材を混ぜ合わせて紡績されて作られたのが混紡素材である。単一素材では得られない生地の質感を得ることが出来、たおやかで表情豊かな生地となる。それぞれの繊維の長所を生かしがら、短所を補うことも可能。
現在ではエルメネジルドゼニアやドーメル、スキャバルなど著名なミルやマーチャントがユニークな生地を発表している。
代表的な混紡生地としては、ウールシルクとウールモヘアが挙げられる。
ウールシルクはウール本来が持つしなやかな肌触り、生地が持つ強い伸縮性や適度な吸湿性に加え、シルク独特の高級な艶感をミックスした混紡素材である。
春夏用の生地として人気が高い。
ウールシルクの代表的な生地はエルメネジルドゼニアの「トロフェオ」である。
「トロフェオ」はオーストラリア産約17.5ミクロンの繊維とチャイニーズシルクがブレンドされ、ウールには無い光沢感を醸し出し、極上の滑らかさと光沢感を持つ。
ウールモヘアは夏物スーツ生地として長年親しまれてきたモヘアの良さを最大限に引き出してくれる。
そもそもモヘアとは、アンゴラ山羊の毛のことで、ウールより毛が太く長いのが特徴で、生地にすると独特の手触りのシャリ感と涼しげな印象を与える。
ウールモヘアの代表的な生地はスキャバルの「モンテゴベイ」であろう。
最高級のキッド・モヘアとオーストラリア産メリノウールを絶妙にブレンドしたこの生地は、絶妙なトロトロ感と適度な弾力性があり、スーツやジャケットに仕立てたときに美しいドレープを描き出す。
上品な光沢感を兼ね備え、モヘア生地のトップクラスと言っても過言ではない。
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