ファッション用語事典

ラムズウール Lamb’s Wool

ラムズウールとは メリノ種のメリノウールの中でもよりソフトな生後6ケ月までの毛を指す。
ラムズウールを直訳すると「子羊の羊毛」という意味で、子羊はSheepではなくLambと呼び、通常生後6ヶ月未満の子羊を指す。
ロムニーやコリデールなど子羊の毛をニュージーランド産のラムと区別して呼ぶ。
雄羊のことも「ラム」と呼ぶが、こちらの綴りはRamである。ラムズウールは中庸な厚みがあり、使い勝手が良い。
ラムズウールの最高峰は、オーストラリア・ヴィクトリア州ジーロン市にしか生息しない、ぺディグリー種の最高級細番手のジーロンラムズウールである。
柔らかさと発色の良さに優れ、シャネルなどのモード・メゾンもコレクションに採用している品質である。
ジーロン市内でしか飼育されていない純血種のジーロンラムは、生後6ヶ月になると、その羊毛を櫛で梳き取られていく。
この最初に梳き取った羊毛だけが“スーパージーロンラムズウール”となるのだ。
純血種の子羊は、一生で一度しか羊毛を採取できないことが、スーパージーロンラムズウールが世界最高級ウールのひとつであると認識される所以である。
スーパージーロンラムズウールは、糸が極度に柔軟で微細であり、最終のニット製品に非常にソフトな感触を与える。
刈り取った後の最初のクリーニング行程を終えると、非常に純度の高い純白な状態の糸となり、鮮やかなパステルカラーの発色が美しいのが特徴である。スーパージーロンラムズウールを用いたニットで定評があるのはドルモアである。
イタリアにデザイン拠点を移し、ピエランジェロ・ダゴスティンをクリエイティブ・ディレクターに迎えた昨今のドルモアは、イタリアらしい鮮やかなパステルカラーと、最高級のスーパージーロンラムズウールを使ったハイクォリティーのセーターが高い評価を受けている。
ドルモアのセーターは21ゲージの糸を使った、比較的ざっくりとした印象のニットが定番商品であったが、近年ではよりスタイリッシュな印象の24ゲージのものや、より目の細やかな27ゲージのハイゲージニットの商品が新定番として定着している。
ラムズウール/Lamb`s Wool