キーマンインタビュー

フェランテ オーナー フェルナンド・フェランテ氏 インタビュー

ナポリのフェランテのショップでオーナーのフェルナンド・フェランテ氏、生産部門責任者ルイジ・フェランテ氏、PRのラヴィア・ダ・アンナ氏にお話を伺いました。
フェランテのショップはナポリ市街地のブランドショップが立ち並ぶ通りにあります。
靴のデザインはどのようにされていますか?
家族全員4人でデザインを行っています。
会社全体では15人の従業員がいて、デザインは家族の4人で決めています。
市場調査は息子が担当しており、市場のニーズも反映させながらフェランテらしいデザインを考えています。
日本の代理店とはデザインについて話し合いますか?
日本市場の情報をもらい、日本向けのスペシャルな商品も作っていますよ。
日本とイタリアの傾向の違いはありますか?
それほど差はありませんが、日本のお客様は軽い靴を好むというのはあります。
軽いというのはデザインもそうだし、靴底も軽いものを好まれますね。
靴底は薄いレザーか、ラバーが人気です。
こちらで人気のモデルはどのようなタイプですか?
プレーンなローファーかリボンタイプのローファーです。
それは日本と同じですね。
革の選定とかはどのように?
履いたときに問題が起こると困るのでクオリティを重視しています。
こちらは新しいモデルで革は仔牛の柔らかい革を使用し、染にムラを施したモデルです。
色の濃淡が特徴的なモデルです。
この色付けは職人が手で行っています。
色付けはどのぐらいかかりますか?
最初にベースとなる色を塗り、塗ったあとにまた手で塗ります。
最後に、ぴかぴかになるような光沢がでる作業をしており、少なくとも3ステップを踏んでいます。
その作業も自社ファクトリーで行っていますか?
はい、そうです。
工場はナポリ郊外のカソリアにあります。
カソリアは革工場があることで有名です。
修理も行っていますか?
はい、フェランテの靴については修理をお受けしています。
日本で販売している靴の修理も行っていますか?
それは日本の修理工房で行っています。
スリッポン以外ではどのようなモデルが人気ですか?
こういうクラシックな紐靴は内羽根、外羽根問わず人気です。
結婚式のようなイベント用のオペラパンプスなど、エレガントなモデルも人気です。
フェランテ以外のブランドの生産も行っていますか?
多少ありますが、とても少ないです。
フェランテと提携先のダブルネームもあります。
フェランテのセールスポイントをお願いします。
やっぱりクオリティと職人の技術。
他のメーカーは外部工場での生産が多いけど、私たちは自社生産です。
他のメーカーは生産量が多いから臨機応変な対応は難しいと思いますが、私たちは小さいからいろんなリクエストに応えることができます。
私たちは靴職人の工房なので靴のなんでもどんな細かいオーダーにも応えられます。
私たちが展開しているモデルの90%は材料を組み合わせたり変えたりできます。
そう、私たちは工場ではなく職人なのです。
職人さんは何名いらっしゃいますか?
現在は14人です。
これ以上人数を多くなってしまうと工場生産になってしまうと思います。
創業はいつごろですか?
1875年です。
現在は5代目になります。
第二次世界大戦の時はどうされていましたか?
1942~44年はストップしていました。
流通がストップしていましたから。
今後規模を拡大される計画はありますか?
現在のままで運営していく予定です。
大きくしすぎて外部工場に依存するようになると、自分たちでコントロールやチェックができなくなり、クオリティが下がってしまう恐れがあります。
引き続き安定したクオリティでナポリの靴を私たちに届けてほしいと思います。

  もちろんです。
それは私たちの義務です。
日本のファッションは世界でも有数のレベルですし、日本のお客様は最高のクライアントです。
靴だけじゃなくてナポリ全体でも日本は大切なお客様ですよ。